漆について

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漆は広葉樹の一種で、秋には葉が真っ赤に紅葉します。樹液が漆塗りに使用されます。

漆塗りは非常に強いのが特徴です。一度固まると溶けず、酸やアルカリ、アルコール、塩分などの化学物質にも侵されることがなく防腐性、耐水性、電気絶縁性に優れています。接着剤としても優れた性能を持っています。蜂の巣も根元の接着に漆が使われています。一方、太陽などの紫外線には弱く、最後には土に還り、環境にも優しい天然塗料ともいえます。また、食器などに塗れば、抗菌作用があることも知られています。そのようにすばらしい特徴を漆は持っているのです。

 

古来、日本人は漆やコヨリを使って、たくさんの物を作ってきました。日用品から武具などあらゆる物を漆塗りにしました。

弓道においても、塗り弓、矢筒、弦巻などが漆やコヨリを用いて作られてきました。しかし、最近は手間がかかることから、プラスチックや化学塗料にとって代わられ、漆の作品は作られることもなくなってきて、漆の弓具を作る人もいなくなってしまいました。

そのような漆の弓道具を復活させるために、古くから伝わる名人の弓具を研究しました。そして現代の弓道にその伝統を伝えていきたいと思い、漆を使った弓具を作り始めました。このような日本独特の漆塗りを施した『漆弓具』を使って、日本古来からの伝統を引き継いでいきませんか?